いるのにいない日曜日/三好銀

「この世の中に、ふたりぼっち」 偶然入った本屋で「いるのにいない日曜日」をみつけた。なんだか「マチブセ」されていたみたいだなあと。不思議な気持ちになる。時間の軸がぐにゃっと歪んだみたいな。へんな気持ちにつかまった。 「三好さんとこの日曜日」…

ねことごろ寝マットで暖をとりながら、持ち帰った仕事を少しと、漫画に溺れる一日。

天気予報のとうり、午後からは冷たい雨が降り始め、だんだん激しさを増していった一日。家にこもって、ねことごろ寝マットで暖をとりながら、持ち帰った仕事を少しと、漫画に溺れる一日。屋根をたたく雨の音が心地よい眠りを誘って、不思議な夢をたくさんみ…

悪人/吉田修一

吉田修一の「悪人」を読む。「さよなら渓谷」を読んだ頃から、ぐんと気になる作家になったこの人。そして、昔から「犯罪」というモノの裏側にあるモノを知りたいという興味が尽きないわたしである。「ある一線」という境界線を越えてしまう人と超えずにいる…

あなたの空には星が見えますか?

はてなさんから、あなたの日記に星が付きましたよ。とメールが来るのだけれど、みえない。目を凝らしても、やっぱりみえない。わたしのパソコンからは、星が見えないのだけれど。星はどこかでひっそり輝いているのだろうか。だとしたら、星をくれた人たちに…

自分が引き受けて、その人に代わって矢面に立つということ。

謝ることの難しさを思う。 謝るという行為にスムーズに辿り着けないとき、それはやっぱり「自分かわいさ」なのかな?と思う。その「自分かわいさ」なのかな?ということに思い当たったのも、実はついさっき。たった今のことなのだから。わたしってやつは、な…

相変わらず、田辺さんの書く女はかわいい。

「ほどらいの恋〜お聖さんの短編」田辺聖子著を読む。 「ジョゼと虎と魚たち」の原作を読んで以来、田辺さんの紡ぐ大阪弁の愛らしさと、食べ物の描写の達者さと、どこか憎めない男とその男を甘やかす女の書き方があったかくて、ファンになった。時々文庫本を…

大人計画/サッちゃんの明日

この間のこと。ひさしぶりの友達と、ひさしぶりな三軒茶屋で、ひさしぶりにごはんを一緒に食べたあと、ひさしぶりで「大人計画」の舞台を見た。 ひさしぶりの友達は、相変わらず貸したままの本を忘れてきているし。友達もわたしも決断力というか、何か前向き…

死に顔を見、手をあわせてくることは、仕事をするということの中で、いつもヒトツの区切りになる。

いつかの夏のこと。 同僚という名のおばちゃんと、ずっと担当してきた利用者さんのお通夜に出掛けた。死に顔を見、手をあわせてくることは、仕事をするということの中で、いつもヒトツの区切りになる。今夜もそのヒトツの区切りとやらをつけるため、善福寺川…

 「A」と「E」と「G」。

「カレーを作ったから食べにおいでよ」というあまりにも魅力的な誘い言葉に「へいへい」と、二つ返事で頷いて友達の家に遊びに行く。少子化少子化と言われている昨今ではあるけれど、我が友達は立派に三人の子供を持つ父親なのでありました。 末っ子のあーち…

死ぬまでにしたい10のこと/ イサベル・コイシェット

この映画は、好き嫌いが別れるのかもしれない。彼女の選択に首をかしげる人もいるかもしれない。都合がいいと思うかもしれない。でも、余命三ヶ月と宣告された23歳のアン。彼女が死を宣告されてはじめて「生きる」ことを始めたこの映画を、私は「好き」とい…

そこはがんばって、久しぶりにがんばって、泣きませんでした。

この間のこと、久しぶりに、本当に本当に久しぶりに仲の良かった友達にばったり偶然会う。気配は感じていたけれど、もう十年近く会っていなかったし連絡というほどの連絡も取っていなかった友達。高速バスというヤツは、フルサトの名もない町とこちら東京を…

コロシヤ

子どもの頃 フルサトにはコロシヤがやってきた 年に一度か二度 村の公民館の広場にやってきて、店開きをした 私たちはおばあちゃんに連れられて コロシヤに会いにいった 殺してもらう動物を手に手に 順番待ちの長い列に並んだ 年をとって家畜としての役目を…

新編性悪猫/やまだ紫

gennoさんとこ( http://d.hatena.ne.jp/genno/20090508)で、もうひとつの訃報をしりました。「性悪猫 asin:4480023879 」のやまだ紫さん。この本はAさんに教えてもらったんだった。両手にすっぽりおさまるちくま文庫を、わたしは眠る前に何度も何度も繰り…

今夜みたテレビ

今夜放送していた、清志郎の番組をみる。みたとおもったら、もう終わってしまって。それはあまりにあっけなくって。余計に強く濃く、わたしにさよならを突き付けたような、強要されたような時間だった。 たぶん、どんな時間を費やしたって、足りない。足りる…

実験4号/伊坂幸太郎×山下敦弘

遅くなった。遅くなったけど、今夜、例のモノ読んで、ンで観た。そして今聴いてる。CDラックをごそごそやって「リハビリ中断」引っぱり出してきた。あと「とどめをハデにくれ」も。それだけじゃ足んなくって「ブッチメリー」も2枚。「実験4号」って曲。…

末期的な夕焼け空みたいな。悲しいことなのに明るいような。そんなこ

なんにもないときのごはん

冷蔵庫の中を覗くと潔いほど何も入っていないことに家に着いてから気が付いた。今から買い物に行くのも面倒だ。幸い野菜籠の中に、長芋とタマネギが。この間のカツオのサラダの残りのパプリカが。頂物の塩蔵若芽が。と、いろいろあったので。これでなんとか…

パリ、テキサス/ヴィム・ヴェンダース@吉祥寺バウスシアター

楽しみにしていた 「爆音映画祭2008」にて、「パリ、テキサス」をみる(昨日の「ヴァンダの部屋」に行きそびれてしまったのが、非常に悔やまれるけれど気持ちを切り替えて、みる)。まずは、スクリーンで、爆音で、みることができてとても嬉しい。終わって、…

アイム・ノット・ゼア/トッド・ヘインズ@シネマライズ渋谷

「6人の俳優」で演じる 「ボブ・ディラン」の物語をみる。みるまでは「6人の俳優」という所に一抹の不安を感じていた(薄くなってしまうのではないかとか気忙しい感じになってしまうのではないかとか)けれど、結果「6人の俳優」という所がよかったと思っ…

蝉時雨のやむ頃/吉田秋生

ー鎌倉4姉妹物語ーと、言われてしまうと、やはり4姉妹(長女/だけどしっかりしてないよ、全く)として生まれ育ったわたしとしてはやり過せないモノを感じてしまうんだけれど…。ということで、久し振りの吉田秋生を読む。相変わらず、すらっーとした線のキレ…

この気持ちはいつも苦手だ。

カツオのタタキ風サラダ

生のカツオをごま油をひいたフライパンでさっと焼いてからスライスする。わたしの好きな薬味をとにかくたっぷり盛りつける。例えば、新タマネギとかパプリカとかスプラウトとかパクチーとかルッコラとかセロリとかアサツキとか(大葉もいいし三つ葉もいいね…

パークアンドラブホテル/熊坂出@ユーロスペース

ユーロスペースで 「パークアンドラブホテル」 をみる。オムニバス風に連なる三つの物語は、ややぎこちないというかこなれていないというか、言葉に頼る印象があって、好みではなかったけれどー 髪を白くした女の子が、恐る恐るラブホテルの階段を抜けて屋上…

田植えの合間に腰を伸ばして顔を上げると、そこにはやっぱり山が見えた。

写真は去年の田植えから、晴れた日のフルサトの五月 田植えの手伝いにフルサトに帰る。仕事帰りの新宿から高速バスに乗って、一路フルサトの地を目指す。一度の休憩を挟んで、三時間ばかりで到着することが出来る私のフルサトは、海はないけれど山と空がある…

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド/ポール・トーマス・アンダーソン@渋谷CQN

とにかく、素晴らしかった。映像も音楽も人々の顔つきも。夢中でみた。みることを貪った。その迫力。その美しさ。美しさにべったり貼り付く醜さ。醜さに貼り付く滑稽さ。壮大なこの映画がみせてくれたのは、あくまでも小さな男の物語だという皮肉さに満足し…

大きく開けた窓からは、少しだけ涼しさを含んだ風が心地よく吹いてくる

世の中は大型連休のいよいよフィナーレをむかえているようだけれど、わたしは土曜と日曜日休みの当たり前の淡々とした日々。だったのだけど、ぽっかりと仕事が空いたので、休んでいいよということに。で、俄然嬉しくなる。嬉しくなって、亀を洗ったりねこを…

愛おしき隣人/ロイ・アンダーソン@恵比寿ガーデンシネマ

その昔「散歩する惑星asin:B0000DJWED」という不思議な後味の残る映画をみた。「おそらくは、ダメそうな人たちが目白押しで、どん詰まりの行き詰まり感がべたっーと貼り付いてしまったような映画でもあるけれど。そこはかとなくユーモラスな感じが漂っていて…

風花/川上弘美

みっともないことなんだな、他人と共にやってゆこうと努力することって。 小説よりも、もっともっとみっともないよ、現実は。と「風花」を読みながら、わたしはぽつんと呟いていた。川上弘美の新作「風花」を読みおわりました。読んでいる間は、さらりとした…

新緑の街をいく

言葉はぽつぽつと浮かんでくるけれど、まとめる力が湧いてこないので、今日は写真に思いを託して。 あっつ、映画の日なので映画にいきました。感想は、また今度。急にあたたかくなったので、毎日がいつもより幾分か疲れやすいみたい。今週は転送電話当番で深…