介護マシーンとしてのワタクシ

今日仕事に入ったおばあさんのこと。痴呆(認知症と呼ぶんでしたっけ?)が入っていてはいるけれど、こんばんはとかありがとうとかごめんなさいとかお腹いっぱいよとか簡単な会話は成立する。そのおばあさんを炬燵から車椅子に移動して、寝室のベットまでつれていく。ベットに移動して、声掛けをしながら、尿や便で汚れたおむつを替えて、ペットボトルを利用した簡易ハンドシャワーで汚れた部分を洗ってあげる。かぶれて爛れてしまった臀部や陰部にお薬を塗って*1ガーゼをあてがって。痒み止めを塗って。オムツを閉じて、ズボンをはかせたら、手や顔をさっばりと清拭して、またまた車椅子に。
食卓に移動したら家族の用意した食事を全介助でゆっくり食べさせる。スプーンと箸を使っておばあさんの口元に食事を運ぶ。味噌汁やスープなど、液状のものはカップの縁を口につけて、ゆっくりゆっくり傾けていく。「吸って下さいね」と声をかけると、すうっーっと上手に吸い込んでくれる。「まだ食べられますか?」と尋ねると「そうね、もう少し」と答える。時間があれば最後まで食べさせて、時間が足りなければ家族に引き継いで、そのおばあさんの家を後にする。これでお終い。
ではここで私が何が言いたいかというと、私は、この一連の静かなサービスがとても好きだということだ。たった1時間の慌ただしいサービスだけれど、ここには静けさが満ちている。こんな静かな時間を、私は心から愛しているようだ。この静けさに惹かれるから、この仕事を続けているって言い切ってしまっても、間違いじゃない。そんなことを今日新鮮に思い出した。
O次郎とごはん
この近くで仕事が終わったという事で、O次郎が遊びに来た。AのOKも出たので、今夜は泊めてあげる事にした。引き続き、冷蔵庫の残り物片付けメニュー続行中なので、今夜はO次郎に豚汁を作ってもらい、私は洗濯物を片付けたり風呂を洗ったり、まさに家事分担をしててきぱきと働いていく。Oとは言わば腐れ縁で(芝居をしていた頃からの付き合い)、Aよりも付き合いが古く、好きも嫌いも通り越したような間柄なので、一緒にいてもあまり喋る事もなく、ちょっと見には倦怠期の夫婦のようだ(夫であるAといる方が私は随分可愛げがあると思う)。非常に楽だ。楽だけれど、Oという人は何かがごっそり欠落したような人だし、楽すぎというのも私の堕落を促してしまいそうなので、やっぱりコイツとは長くはいられないよなぁなどと思ってみたり。
さてさて豚汁も煮上がり、後は私担当の親子丼を作る段になって、Aより「仕事帰りで軽く飲み」とのメールが入る。そうですかという事で、今夜はO次郎とごはん。私が土鍋でご飯を炊いて親子丼を作り、O作の豚汁を飲む。親子丼はちょっと火の通りが甘かったけど、味は良かったし、豚汁もバツグンだった。豚汁に入ってた昨日の手作り蒟蒻は、ちょっと肉のような食感でたまらない美味しさ。美味い美味いと食べていると「今から帰ります、お腹空いた」とAから電話。親子丼と豚汁を残しておいてあげました。帰ってから、お食べネ。
我楽多じまん〜なごみの懐かし雑貨/中野翠
どうも私は中野翠贔屓らしい。結局あれこれと読んでいる。小説に疲れた時なんか、丁度いい箸休めのような感じにもなるし。私の知らない(興味はあっても手を出しづらかった)分野を教えてくれる、教科書のようでもある。現在眠る前には、新作日記「ここに幸あり」をパラパラと読んでいるし、今までの過去日記「ほぼ地獄。ほぼ天国。」「あんまりな」「まんざら」などなども、楽しく読んだ。サンデー毎日の連載をまとめたというこの日記ももう20年近くも続いているとか(継続は力なりだなー)。それ以外でも「ぺこぺこ映画日記」は、辞書の如く手元において活躍してるし「お洋服クロニクル」には、心底わくわくしたし「会いたかった人、曲者天国」は(知らないひとが多かったというのに)楽しめたし勉強になったし「千円贅沢」は、千円で出来る贅沢買い物にワクワクしたし「ふとどき文学館」もずしっと読み応えがあったな。
この本「我楽多じまん」は、中野さんが愛した雑貨と言おうかー骨董というには恐れ多く、ヴィンテージとかアンティークとか呼ぶのにも、格調が高すぎるー言うなればガラクタの数々を集めた本だ。特に本の後半、三百体は集めているというお土産こけしの頁にはかなり見応えあり。正直最初は、ちょっと安っぽいかな古くさいなちゃっちいかなと思っていたのだけど、読み進めていくうちに、それら安っぽくて古くさくてちゃっちいモノの数々の中に、きっちりと中野さんの美意識みたいなものが浮かび上がってきて、なんだかにんまりしてきてしまった。好みという意味では、私のそれとは微妙に異なるけれど、一貫したうるさいまでのこだわりを読んでいると、森茉莉のあの世界に通じるなぁと、そんな事を思ったり。とにかくきちんと好きを持っている人は、いいなぁとそう思わせてくれる本でした。











