ぶらんこ乗り/いしいしんじ@はみこ編

ぶらんこ乗り
今朝、妹のはみこ*1から長い長い感想のメールが来ました。ポストペットのペンギンのぱんこが届けてくれました(ちなみに私のポスペットは、ネズミのなるとです)。ありがとうね。嬉しかったよ。ということで彼女の感想をアップします。

「ぶらんこ乗り」読みました。


友人が突然この世を去った12月の終わりにこの本を読み始めました。
そして読み終える前に、また一人逝ってしまった友人がいました。
だからなのかな?読んでいると何だか苦しくなって、
読み進めることが困難にさえなることもありました。
それでも物語は優しくて、切なくて、儚くて、確かに私も「ふるえ」を感じまし
た。


人は誰でもぶらんこに乗っているのかな。
そうして、あちら側とこちら側を行ったり来たりしてるのかもね。
ぶらんこをぐんぐんこいでも「ちょうどいい引力」が
これ以上離れないように引張り戻してくれる。
隣のぶらんことすれ違ったり、並んで揺れたり、
手を握ったり、離したり、また握ったり。
刹那のすてきなことを知らず知らずのうちに繰り返す。
周りのことすべてがぶらんこで説明がつくかのように思えてくる。
私が弟にも姉にも共感できる所があるのは、
ぶらんこに乗って弟の世界と姉の世界を行ったり来たりしていたからなんだろう
か?


正直なところ、物語の前半では少し退屈なお話なのかもしれないと感じたのだけ
れど、
物語が進み、後半になるとぐっと引き付けられて行きました。
このままずっと、この物語世界にとどまっていたいと願いました。
ところが最終章にたどり着いてみると、そこにはちゃんと救いみたいなものがあ
って、
大げさに言えばハッピーエンドを感じさえさせるエンディングで
穏やかな気持ちのまま読み終えることが出来ました。
いろんな意味で特別な一冊となりました。
どうもありがとうね。

*1:次女・大阪在住・最近車を盗まれて脱力している・ダイバー・いろいろと仕切らせたら日本一