2002-01-01から1年間の記事一覧

ブッチメリー/The ピーズ

ずっと具合が悪くって、発熱と吐き気と生理痛の苦しみの中それでも電車に乗っかって仕事に行く。誰に何と言われようと、アタシにとってはギリギリな状況だ。随分吐いたし、少しだって胃の中に食べ物があったらもうたまらなくむかむかとしてくるし、それでも…

文人悪食/嵐山光三郎

我が父親は文人ではないが、立派な悪食だと思う。 なんてったって「牛乳茶漬け」を食べていた。鴎外は「饅頭茶漬け」を好んだそうだが、その方が幾分かでも美味そうである。我が父親は炊き立てのほかほかのご飯に、隣の家からいただいてくる搾りたての濃厚な…

文人悪食/嵐山光三郎

我が父親は文人ではないが、立派な悪食だと思う。 なんてったって「牛乳茶漬け」を食べていた。鴎外は「饅頭茶漬け」を好んだそうだが、その方が幾分かでも美味そうである。我が父親は炊き立てのほかほかのご飯に、隣の家からいただいてくる搾りたての濃厚な…

ゴーストワールド/テリー・ズウィゴフ

「ゴーストワールド」はひたすらに「痛い」映画だった。もちろん嫌いなんかじゃない。イーニドを演じた「ゾーラ・バーチ」の存在感には一目惚れしてしまったし、イーニドとレベッカ、その二人のファッションもすっごく可愛かった。細かい所までホント可愛く…

リトル・ダンサー/スティーブン・ダンドリー

最初のシーンを見た時から「これは絶対絶対よい映画だなぁ」って、私はすぐに分かったしまいました。この映画がはじまって五分と経たないうちに、私には分かってしまいましたよ。それは、私が今までに愛した数々の映画にも言えること。よい映画って、はじま…

バーバー/ジョエル・コーエン

「ファーゴ」でコーエン兄弟をスキになった。白い、でもやりきれないような鬱々とした密閉感。世界が少しずつ狂い出す予兆。引いてぽつんと撮っているくせに伝わってくる息苦しさ。少しずつ何かのタガが外れていく感じ。ちくちくちくちく進みは確実であった…

ハッシュ!/橋口亮輔

「ハッシュ!」を二回観てきました。結論から言ってしまうと二回観るが、この映画にとってあまり良くなかったかな?と、そう思っている。欲が出てきたのかな?文句がぽこぽこ出てくるし「映画」としてのアラが見えてしまったのだね。 私は普段そういう冷静な…

GUMMO ガンモ/ハーモニー・コリン

それは私にも分からない。私が今ナゼ泣いているのか?私が何に震えているのか? それは私にも分からない。けれど…。私はこの映画を決して誰にもすすめはしない。この不愉快極まりないフィルムを私が誰にすすめることが出来ようか?誰がコレを喜ぶなどと想像…

蝶の舌/ホセ・ルイス・クエルダ

「少年時代」というコトバを訳してごらんと言われたら「薄目しながらモノを見ることの出来なかった頃、めいっぱい見開いた目で、良いこともそうでないことも全部見てしまった、あの頃のこと」と、わたしなら訳すことでしょう。そう、この映画はそんな「少年…

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ/ジョン・キャメロン・ミッチェル

これ、アタシがみなくて誰がみんのよ!! これ、アタシが書かなくって誰が書くのよ!! と、相変わらず勘違い甚だしい私ですが。今日は、今日の所は許してね。だって、久しぶりに映画が呼んでる!!アタシを呼んでる!!ヘドウィグがアタシを呼んでる!!そんな気がし…

ガープの世界/ジョージ・ロイ・ヒル

アーヴィングが好きで、ガープが好きで、ガープを取り巻く「ガープの世界」が大好きだ。そしてこの数日いうモノ、なぜアーヴィングが好きで、ガープが好きで、ガープを取り巻く「ガープの世界」が好きなのだろうと、そればかり考えていた。誰かが言ってた、…

シド・アンド・ナンシー/アレックス・コックス

シド・ヴィシャスとナンシーを、ひいてはカートとコートニーを、ましては阿部薫と鈴木いづみを。いまさら、魂の恋人達とか、運命の恋人達と呼ぶつもりもないけれど。それでも、ある時代を色濃く生きていた人たち。終いにはいつもかくれんぼをしたまま、見つ…

ほぼ地獄。ほぼ天国。/中野翠

「人間が馬鹿なだけに感じ方が激しい」とは、まさしくもって私のことではないだろうか。上手い。上手すぎる。古今亭志ん朝が落語「佃島」の中で、与太郎を評していうコトバらしいのである。らしいとは「ほぼ地獄。ほぼ天国。」の中で見つけたコトバだからだ…