2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

コントロール/アントン・コービン

イアン・カーティスという男がたまらなく愛おしかった。 妻と愛人ー彼はただ二人の女の間で揺れて苦しんだだけじゃなかったー。 シネマライズ渋谷で、楽しみにしていた 「コントロール」をみる。「ジョイ・ディヴィジョン」のイアン・カーティスの物語をアン…

久々に渾身の力を込めて書いてみました。

タタド/小池昌代

小池昌代の「タタド」を読みかえす。一晩でぐいっと最後まで。うん、やっぱりおもしろかった。 去年の秋に書いたレビューを見つけたのでのっけておく。写真は去年の秋の彼岸花とわたし。 初老に差しかかった男女4人のやりとりと終わりとはじまりを書いた表…

季節外れの彼岸花

接吻/万田邦敏

感想はしっかりラストに言及してますので、そのつもりでお願いします。 映画を見る前には、自分にあまり多くの情報というヤツを入れずにおくようにしているのだけど、それでも、わずかながらに漏れ伝わってくるこの映画の情報から、わたしは小池栄子演じる「…

玄関にトイレに食卓に飾る。飾る。飾る。

住まいのゴミ集積場にたくさんの青い枝葉が束ねられて、粗大ごみの印と共に出してあった。近くで見たらば、青い枝葉の先には、どれもびっしり赤い蕾がついていた。どうしてこんな状態で枝を落としてしまうのだろう。明日にもほころび始めそうな蕾なのに。も…

ダージリン急行/ウェス・アンダーソン

ダージリン急行をみる。この監督「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」は楽しくみた。「ライフ・アクアティック」さっぱりのれなかった。この監督は、やっぱり苦手なのだろうかな?と、自分の嗜好を確かめたくって、映画館に赴いた。オシャレだなあと思う。音楽…

サーモンムニエル新タマネギの甘酢ソースがけ/ピースごはん/オニオンスライスおかかのっけ/鶏のスープ

春先の八百屋に足を踏み入れると、ちょっとだけ我を忘れてしまうわたしであるよ。やわらかそうな春キャベツ、見るからに甘そうな新タマネギ、まだ初々しい新じゃがいも、はしりのピース。わたしの大好きな野菜たちがそろって並ぶ季節だよ。あれもこれもと手…

バスキア/ジュリアン・シュナーベル

どんな映画が好きかと聞かれれば、なんと答えるだろう?おそらくは・・・大作、超大作は、気分がのらないと手が伸びず。名作、不朽の名作は、身構えてしまったりもして、素直には楽しめず。従って、その狭間にあるような、街のざわめきみたいな、ゆるい気分…

潜水服は蝶の夢を見る/ジュリアン・シュナーベル

「潜水服は蝶の夢を見る」をシネマライズ渋谷でみる。患者の目を通して写されるその映画は、靄がかかったようなくぐもったような、カラダの周りに膜ができたような感覚をわたしに与えた。それは息苦しいような重たいような眠いような感覚で、わたしはけっし…

金色の少しひしゃげた王冠をそれでもアナタのアタマにうやうやしく

じゃがいもごはんを炊く

じゃがいもごはんを炊く。(id:genno)さまがググレどもググレども出てこなかったというじゃがいもごはん。それもそのはず、わたしオリジナルのごはんだから。レシピというほど難しくない。洗った米に昆布と角切りのじゃがいもと塩少々を入れて炊く。炊き上…

気が付くとぼやんとして空ばっかり見上げていた

豆腐チゲの夕ごはん。タマネギがとにかく好きなのでタマネギをたくさん入れる。豚肉は、沖縄のあぐー。タマネギと豆腐の甘みにほっとする。とろりとした卵の黄身にいろいろをからめて食べる。ぐっと春らしく汗ばむぐらいの一日の終わりに、再び汗をかく。

村上春樹、河合隼雄に会いにいく/村上春樹

海辺のカフカ/村上春樹

「海辺のカフカ」上・下巻を読み切った。まずは読み応え充分だった。ストーリー云々はさておいても。しっている作家のさらにいろんな作品に手を出したくなるきっかけの書としても、音楽の指南書としても読み応えがあるし。哲学や登場人物の考えと、自分の考…

神の子どもたちはみな踊る/村上春樹

「神の子どもたちはみな踊る」村上春樹著を読む。わたしはそれほど熱心な村上春樹を読む人ではないけれど、すすめられたりプレゼントされたりしたら、熱心に読みますぐらいの村上春樹を読む人ではある。この本はプレゼントだったので、熱心に読んだ。 村上春…

わたし的村上春樹祭

介護マシーンとしてのワタクシ

38度あった熱は、一晩でうそみたいに下がったけれど、咳が止らずマスクを付けて仕事に行く。仕事柄、マスクをしていても咳は嫌がられるだろうなと、席を外しては目立たない所に回って、コンコンゼイゼイ、と咳き込んでいた。 それを目ざとくみつけたおばあさ…

咳が止らずマスクを付けて仕事に行く

「わたしいまめまいしたわ」から「わたし大好き」というわたしわたしの一日

屋上で洗濯物をパンパンと干していたらば、うっすらと汗までかいていた。気持ちが良くなって、大きくひとつ伸びをした。ねこもゆらりと伸び切って、うららかすぎるそんな一日。掃除もそこそこに街に出る。眩しいぐらいの春の気配に、気持ちもぬるぬるとゆる…

R18 LOVE CINEMA SHOWCASE Vol.4@巻き助ピンク映画の二本立てに行く

ポレポレ東中野でやっている「R18 LOVE CINEMA SHOWCASE Vol.4(http://www.spopro.net/r18/index.htm)」にでかける。「ヒロ子とヒロシ」(痴漢電車 びんかん指先案内人)」と「再会迷宮(不倫同窓会 しざかり熟女)」の二本立て。つまりは、ピンク映画の二…

おそいひと@ずっとアナタのこと考えてました。

まだまだしつっこく、映画「おそいひと」のことをずっと考えていました。思い出すのは、住田さんが介護の女子大生に「普通に生まれたかった?」と訊かれる。あのシーン。介護の女子大生は、くったくなく、こともなげに住田さんにそう尋ねる。あのシーン。住…

「真鶴」から「無銭優雅」まで

川上弘美の「真鶴」を読み終わったのは、随分前のことだけれど。わたしの言葉に置き換えるまでには随分時間がかかったし。もしも読み返すことがあるとしたらば、やはり随分先のことになると思う。 この本は、読んでいる間も読み終わっても、なかなかなまなか…

「全然大丈夫」@まずは、木村佳乃に謝りたい。謝らせて下さいと思った。

この間のこと、テレビでやっていた「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」を見た。マドンナが吉永小百合の、遠くの打ち上げ花火になぞられる、そうあの一本。改めて言うまでもないんだけれど、寅さん。いいんだよなあ。やっぱり。落語をみてるみたいだよ。相変わら…

2007年にココロに残った映画たち(邦画編)

「気球クラブ、その後」園子温 あったものがもうないということは、切ないことだなあ 人を好きになるのは、切ないことだなあ 人を好きなままでいられなくなるのは、切ないことだなあ 人を好きですと言えなくなってしまうのは 本当に本当に切ないことなんだな…