cinema

死ぬまでにしたい10のこと/ イサベル・コイシェット

この映画は、好き嫌いが別れるのかもしれない。彼女の選択に首をかしげる人もいるかもしれない。都合がいいと思うかもしれない。でも、余命三ヶ月と宣告された23歳のアン。彼女が死を宣告されてはじめて「生きる」ことを始めたこの映画を、私は「好き」とい…

実験4号/伊坂幸太郎×山下敦弘

遅くなった。遅くなったけど、今夜、例のモノ読んで、ンで観た。そして今聴いてる。CDラックをごそごそやって「リハビリ中断」引っぱり出してきた。あと「とどめをハデにくれ」も。それだけじゃ足んなくって「ブッチメリー」も2枚。「実験4号」って曲。…

パリ、テキサス/ヴィム・ヴェンダース@吉祥寺バウスシアター

楽しみにしていた 「爆音映画祭2008」にて、「パリ、テキサス」をみる(昨日の「ヴァンダの部屋」に行きそびれてしまったのが、非常に悔やまれるけれど気持ちを切り替えて、みる)。まずは、スクリーンで、爆音で、みることができてとても嬉しい。終わって、…

アイム・ノット・ゼア/トッド・ヘインズ@シネマライズ渋谷

「6人の俳優」で演じる 「ボブ・ディラン」の物語をみる。みるまでは「6人の俳優」という所に一抹の不安を感じていた(薄くなってしまうのではないかとか気忙しい感じになってしまうのではないかとか)けれど、結果「6人の俳優」という所がよかったと思っ…

パークアンドラブホテル/熊坂出@ユーロスペース

ユーロスペースで 「パークアンドラブホテル」 をみる。オムニバス風に連なる三つの物語は、ややぎこちないというかこなれていないというか、言葉に頼る印象があって、好みではなかったけれどー 髪を白くした女の子が、恐る恐るラブホテルの階段を抜けて屋上…

田植えの合間に腰を伸ばして顔を上げると、そこにはやっぱり山が見えた。

写真は去年の田植えから、晴れた日のフルサトの五月 田植えの手伝いにフルサトに帰る。仕事帰りの新宿から高速バスに乗って、一路フルサトの地を目指す。一度の休憩を挟んで、三時間ばかりで到着することが出来る私のフルサトは、海はないけれど山と空がある…

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド/ポール・トーマス・アンダーソン@渋谷CQN

とにかく、素晴らしかった。映像も音楽も人々の顔つきも。夢中でみた。みることを貪った。その迫力。その美しさ。美しさにべったり貼り付く醜さ。醜さに貼り付く滑稽さ。壮大なこの映画がみせてくれたのは、あくまでも小さな男の物語だという皮肉さに満足し…

愛おしき隣人/ロイ・アンダーソン@恵比寿ガーデンシネマ

その昔「散歩する惑星asin:B0000DJWED」という不思議な後味の残る映画をみた。「おそらくは、ダメそうな人たちが目白押しで、どん詰まりの行き詰まり感がべたっーと貼り付いてしまったような映画でもあるけれど。そこはかとなくユーモラスな感じが漂っていて…

映画の中の男の子の時間

かつて確実に少年としての時代を過してきた、現在女子であるわたしは、わたしという人間がとどまり続けることが出来なかった、少年のまま。彼らのままの眼差しを感じる映画を愛していますし、これからもひたすら愛し集め続けていくのでしょう。 ということで…

パラノイドパーク/ガス・ヴァン・サント

僕らの問題なんて小さくてバカみたいさ 帰り道「渋谷、渋谷、」と名乗られると、ついつい映画館に足が向くわたしであることよー。シネセゾン渋谷にて 「パラノイドパーク」をみる。ガス・ヴァン・サントのこの感じの映画はわたしのストライクゾーンど真ん中…

ノーカントリー/ジョエル・コーエン イーサン・コーエン

ついにと言おうか、とうとうと言いましょうか、 「ノーカントリー」みてきました。いつもは小振りの映画館で上映する映画を好むわたしでありますが、今回は大きな映画館の大きなスクリーンでみれたことが実によかった。まずは冒頭から「テキサス」という土地…

タクシデルミア ある剥製師の遺言/パールフィ・ジョルジ 

イメージフォーラムにて、楽しみにしていた 「タクシデルミア ある剥製師の遺言 」をみる。この監督のデビュー作「ハックル(http://d.hatena.ne.jp/makisuke/20051118#p2)」は、わたしの2005年の忘れられない映画の一本でもある*1。 「ブリキの太鼓」や「…

コントロール/アントン・コービン

イアン・カーティスという男がたまらなく愛おしかった。 妻と愛人ー彼はただ二人の女の間で揺れて苦しんだだけじゃなかったー。 シネマライズ渋谷で、楽しみにしていた 「コントロール」をみる。「ジョイ・ディヴィジョン」のイアン・カーティスの物語をアン…

接吻/万田邦敏

感想はしっかりラストに言及してますので、そのつもりでお願いします。 映画を見る前には、自分にあまり多くの情報というヤツを入れずにおくようにしているのだけど、それでも、わずかながらに漏れ伝わってくるこの映画の情報から、わたしは小池栄子演じる「…

ダージリン急行/ウェス・アンダーソン

ダージリン急行をみる。この監督「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」は楽しくみた。「ライフ・アクアティック」さっぱりのれなかった。この監督は、やっぱり苦手なのだろうかな?と、自分の嗜好を確かめたくって、映画館に赴いた。オシャレだなあと思う。音楽…

バスキア/ジュリアン・シュナーベル

どんな映画が好きかと聞かれれば、なんと答えるだろう?おそらくは・・・大作、超大作は、気分がのらないと手が伸びず。名作、不朽の名作は、身構えてしまったりもして、素直には楽しめず。従って、その狭間にあるような、街のざわめきみたいな、ゆるい気分…

潜水服は蝶の夢を見る/ジュリアン・シュナーベル

「潜水服は蝶の夢を見る」をシネマライズ渋谷でみる。患者の目を通して写されるその映画は、靄がかかったようなくぐもったような、カラダの周りに膜ができたような感覚をわたしに与えた。それは息苦しいような重たいような眠いような感覚で、わたしはけっし…

「わたしいまめまいしたわ」から「わたし大好き」というわたしわたしの一日

屋上で洗濯物をパンパンと干していたらば、うっすらと汗までかいていた。気持ちが良くなって、大きくひとつ伸びをした。ねこもゆらりと伸び切って、うららかすぎるそんな一日。掃除もそこそこに街に出る。眩しいぐらいの春の気配に、気持ちもぬるぬるとゆる…

R18 LOVE CINEMA SHOWCASE Vol.4@巻き助ピンク映画の二本立てに行く

ポレポレ東中野でやっている「R18 LOVE CINEMA SHOWCASE Vol.4(http://www.spopro.net/r18/index.htm)」にでかける。「ヒロ子とヒロシ」(痴漢電車 びんかん指先案内人)」と「再会迷宮(不倫同窓会 しざかり熟女)」の二本立て。つまりは、ピンク映画の二…

おそいひと@ずっとアナタのこと考えてました。

まだまだしつっこく、映画「おそいひと」のことをずっと考えていました。思い出すのは、住田さんが介護の女子大生に「普通に生まれたかった?」と訊かれる。あのシーン。介護の女子大生は、くったくなく、こともなげに住田さんにそう尋ねる。あのシーン。住…

「全然大丈夫」@まずは、木村佳乃に謝りたい。謝らせて下さいと思った。

この間のこと、テレビでやっていた「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」を見た。マドンナが吉永小百合の、遠くの打ち上げ花火になぞられる、そうあの一本。改めて言うまでもないんだけれど、寅さん。いいんだよなあ。やっぱり。落語をみてるみたいだよ。相変わら…

2007年にココロに残った映画たち(邦画編)

「気球クラブ、その後」園子温 あったものがもうないということは、切ないことだなあ 人を好きになるのは、切ないことだなあ 人を好きなままでいられなくなるのは、切ないことだなあ 人を好きですと言えなくなってしまうのは 本当に本当に切ないことなんだな…

ミスター・ロンリー@シネマライズ渋谷

「昨日の東京には春一番がふきました。」と、今朝のニュースでやっていたのだけど、昨日の風の有り様といったら「春一番」などという生易しいものではなく、地面の土という土があらかた舞い上がってしまうような勢いで。何気なく目をやった窓の外が、セピア…

おそいひと

いろいろあって有給をいただいていたのだけれど、いろいろあって有給の予定がそっくりキャンセルになった金曜日。少し拍子抜けした木曜日の夜だったけれど、朝になってみれば、断然ウキウキしている様子のまるっきりのオフの一日。布団を干して洗濯を片付け…

2007年にココロに残った映画たち(洋画編)

「WASSUP ROCKERS」ラリー・クラーク 新しいラリー・クラークを感じて、私もその「新しさ」に乗っかって愉快になった。ドラッグもピストルも喧嘩もなくったって、彼らにはこの世界が充分に刺激的で楽しみに満ちていて。仲間の死や暴力やお巡りからのいわれな…

「童貞。をプロデュース」

少し前のことだけれど「童貞。をプロデュース(http://www.spopro.net/virgin_wildsides/)」をみに下高井戸の高井戸シネマまで、勢い込んで前のめりに気味になって行って参りました。 「人間関係は迷惑をかけるものなんだよ」って、そんな、当たり前のこと…

人のセックスを笑うな

土曜日、日曜日、月曜日と…わたしはまだその余韻の中にいるー「人のセックスを笑うな(http://www.hitoseku.com/top.htm)」をみて。みおわって、すっかりやられてしまって。その余韻のような、余熱のような、そんな中に、私はまだぼんやりと漂ってるみたい…

酔いどれ詩人になるまえに

キャストもなんかいいね。マット・ディロン。リリ・テイラー。マリサ・トメイ。それぞれの顔に肉体に、確かなボックボーンみたいなモノを感じるんだよな。目が合っただけで求め合っちやうその必然が分かりやすいんだもんな。そのバックボーンみたいなモノが…

やわらかい手

ーもうずうっと前のことだけれど、新宿でリバイバル上映をしていた「あの胸にもう一度」をみたことがあったっけ。あの時のマリアンヌ・フェイスフル。黒のレザースーツにするりと裸体を滑り込ませた彼女。映画自体はすぐに忘れてしまったけど、彼女の存在は…

やわらかい手

ーもうずうっと前のことだけれど、新宿でリバイバル上映をしていた「あの胸にもう一度」をみたことがあったっけ。あの時のマリアンヌ・フェイスフル。黒のレザースーツにするりと裸体を滑り込ませた彼女。映画自体はすぐに忘れてしまったけど、彼女の存在は…