引っ越し、思い出編

引っ越しで、母親が上京してきて三泊四日でいろいろと手伝ってくれた事は、前にも書いたように思うけど、その時、私は母親といる事がとてもとても楽しかったのだよ。自分でもちょっとびっくりするくらい楽しかった。隣の布団で寝起きしたり、Aさんは食べないけれど二人で朝ごはんからがっつり食べたり、新居と旧居を慌ただしく移動したり、ごはんの買い出しに一緒にスーパーに行ったり、とにかく四日間二人でつるんでみっちり一緒にいたように思うんだけど、それが本当に楽しかった。気の合う相棒と寝食を供にしたって感じで、今思い出してもしみじみと楽しい思い出なのだ。

思い返してみると、大学進学のために18で上京してから、母親とこんなに長く一緒にいた事はなかったし、そもそもフルサトにいた頃も、母は姉妹家族皆のもので、こんな風に私だけど過してくれた事もなかったし(もちろん、当時はそんなことも望んでなかったし)、大体が生意気盛りだった私は、母親とは顔を合わせれば喧嘩ばかりしていたように思う。離れて暮らしていても、特別会いたいとか、会えないと淋しいとか、ほとんど全く考えた事もなかったのだけれど、なんだか生まれてはじめて母親を心ゆくまで堪能して、物凄く満足をした。満足をして、この年になってはじめて「お母さんていいなぁ」と、バカみたいにシンプルな感想を抱きましたよ。お母さん、最高ですっと。