ニュースより

長崎県の佐世保の事件。今朝の新聞に、お父さんの手記が載っていた。この事件は、これからどうなっていくんだろう？「インターネット」や「チャット」のせいだとか「バトル・ロワイヤル」のせいだとか「カッターナイフ」のせいだとか、そういう判りやすい原因探しをして、終わってしまうのかな？「命の大切さ」を説いて、終わっていくのかな？

私はもっと、想像力を育てて欲しいと思うよ。本当に切実で真剣な想像力。本当に本気で想像できたなら、誰でもこんな一歩は踏みださないはずだと思う。踏み出してしまった人の迂闊さに、私はいつだって腹が立って仕方がない。私だって、命の尊さなんて分からない。「死ぬこと」だって、あまりにありふれていて、珍しくない。誰かにとっては大切な命も、誰かにとっては取るに足らないものかもしれない。心の闇なんて、何処にだって転がってる。それは仕方のないこと、私たちはそういう世の中に生きている。それでも、想像して欲しいよ。本当に本気で想像して欲しいよ。誰かの命を絶つことで、こんなにも悲しむ人がいることを。その日から始まる、自分の慌ただしい毎日を。人との関わりを。もう誰も、そっとしておいてはくれないのだよ。居心地の良い、自分だけの場所に閉じこもっているわけにはいかないんだよ。前に進まなくっちゃいけないんだよ。自分という存在を、壊して作り直さなくっちゃいけないのだよ。どうして、そんな道を選ぶんだろう。その前向きさに、その迂闊さに、腹が立って仕方がない。うっとおしいよ。どうしてもっと真剣に、切実に想像しないのだろう。

新聞で読んだお父さんの手記の一言が忘れられない。「もう嫌だ」「もう嫌だ」「もう嫌だ」。誰かをこんな風に悲しませちゃいけない。絶対に、絶対にいけない。