ゴットファーザーpart2/フランシス・フォード・コッポラ

マーロン・ブランドのゴッド・ファーザーは「家族」のために、ひたすらに強く強くあればよかったのだけれど、アル・パチーノのゴット・ファーザーは「家族」のために、強くあろうとすればするほど、足元が崩れていくように孤立していってしまう所が、なんとも悲しい。ただ強くあろうとしただけなのにね。記憶の中の幸せな「家族」を見ていると、共通点などないはずなのに、私の中の記憶と結びついて、言いようのない淋しさを感じてしまう。

ゴット・ファーザーの妻としたら、おそらくもっとも似付かわしくないであろう、ケイ(ダイアン・キートン)という女性を伴侶に選んだのも、アル・パチーノが自分を見失わないようにするためだったんだろうな。それでもゴット・ファーザーとして生きるということは、自分をある程度見失っていかなくっちゃならないのだろうな。だから、その選択がアル・パチーノの孤独をさらに強めてしまう。ケイの気持ちも分かるし、アル・パチーノの孤独を見ていると、私までやり切れなくなってくるし。

と、いろんな人に感情移入をしながら、きちんと映画を観た。そんな気分だ。part1、2と映画館で観る事ができて、本当に良かったなと。途中でトイレに立たなくて済んで本当に良かったなと。そんな事を思いながら。