舞城王太郎が好きなわけ

舞城王太郎を読んでいると、不思議と静かな印象を受ける。ちようど爆音やノイズが切れ目なく鳴り続くと不思議と静かに感じられて案外気分が凪いでしまって、物思いが捗ったりしてしまうように。彼(多分)の本は心地よい爆音もしくはノイズだ。

本の中には、よい言葉(発想)心に留まる言葉(発想)も沢山あって、書き抜き好きの私は「ああ、これ(人生において)使えるじゃん、メモメモ」と、思うのだけど、それが次から次へと連打されるので、結果だんだんに読み飛ばしていってしまうことになる。それでも、それがマイナスにならなくて、そのよい言葉連打が心地よくって。よい言葉だって過剰になればノイズに等しくて、ジャンクになっちゃう下世話な感じが好きなのだよ。ちょっとパンチドランカーみたく、ちょっとやそっとの「いい」に反応しなくなっていく自分が心地よいのだよ。

だけども、彼(おそらく)の本を読んでいる時に感じる「ああ、やっぱアタシこの人好きだわっ」って一人確認は、恋愛初期のしあわせな一人確認にも似ているのね。と、全くまとまらないまま。