私とおんなじ顏の人

双子のようにそっくりというわけではないけれど、私と3番目の妹はよく顔が似ていると思う。フルサトへ帰るバスの中、座席はその妹と並んで座って喋りながらの道のりだった。3時間あまり、ずっと妹の顔を眺めていると、不思議な気分になってきた。私の頭が記憶している私の顔がそこにある。不思議な気分だ。まるっきり一緒ではないのだから、きっと、口元の歪ませ方や目のしかめ方、笑い方やうつむき方なんかが、おんなじなんだ。顔の作りというよりも、筋肉の動かし方や骨格や声色が、おんなじなんだ。だから、じっと見ていると、自分に向かって喋っているようで、くらくらとしてくる。ちたょっと薄気味悪くなってくる。だんだん遠近感がなくなって、自分の立ち位置が分からなくなってくる。