96° in the Shade/Third World

96 Degrees in the Shade
風はやっぱり冷たいけれど、日差しがぽかぽかと暖かい一日だった。今日は仕事で百一歳のおばあさんを車椅子にのっけて、散歩に連れ出した。久し振りの外出だという。東京のまばらな紅葉を、それでもおばあさんはとても喜んでくれて、白内障で霞みがちな目を凝らすようにして木々を仰いでいた。

仕事が終わって、日が落ちたら、ぐんと寒くなった。寄り道しないで(八百屋でニラと下仁田葱だけ買って)足早に家を目指した。辿り着いた我が家は昼間のお日様の名残で、ぼんやりと暖かい。何にもつけなくたって、全然OK。Third Worldを大音量で流しながら、洗濯機を回して、掃除機をガンガンかけた。猫のトイレを片付けて、朝のカフェ・オ・レのカップを洗った。部屋の空気がどんどん濃さを増していくのがよく分かる。何度もリピートをかけて、音楽が絶えてしまわないように、注意した。

Third Worldは、冬の方が似合うと、私は思う。