介護マシーンもしくは、はじめての女(人)。

誰かに体を拭いてもらったり、足を洗ってもらったり、ましてや陰部洗浄してもらったり薬を塗ってもらったりなんて、やはり相当恥ずかしくばつが悪くて気が進まない事ではないかと思うのですよね。仕事としてそれらをこなす私たちは、当たり前の事(案外)なんでもないことなんだけれども、いざ「してもらう」立場になったら、さぞや感情も複雑ではないかと。


今日訪問したのおじいさんもそんな複雑な感情を抱えた一人。ヘルパーはもちろん家族にさえ、そういうもろもろのことどもを一切させなかった頑固でカクシャクとした明治男。当然として足浴バージン、陰洗バージンの初々しいおじいさん。そのおじいさんの足浴と陰部洗浄と塗薬を、はじめて私にまかせてくれたのですよ!もう、私だけなんですよ、そのおじいさん落とせたのは!嬉々として準備に取り掛かり、嬉しさを悟られないように、淡々と足を洗ってあげながら「私、おじいさんのはじめての女(人)になったのねぇ」と、ほくそ笑んでいたのでありました。