ダーク・ウォーター/ウォルター・サレス@吉祥寺東亜興業チェーン

makisuke2005-11-29


先週の水曜日の話なんですけど、ウォルター・サレス監督の新作「ダーク・ウォーター」みてきました。ウォルター・サレスは私の大好きな監督のヒトリ*1。願うべくはやっぱり、ブラジルという(もしくは、ブラジルに留まらず)土地に根差した映画を届けて欲しいと思ってしまうのだが。この新作もやっぱり嫌いではないのな。ホラー映画に留まらず、叙情的な湿度の高い美しい映画に仕上がっていた。冒頭の雨のシーンから、見る喜びに溢れているような。怖がらせるというよりも、切ない余韻を噛みしめるような。そんな映画。母親がぎゅっーと娘を抱きしめるシーンを見る度に、なんとなく人恋しくなるような映画でもあった。そして、土地(土)ではなく、水に支配されていた映画なのだけれど。水というものは、いろんな表情があるのだなーと。つくづく。清も濁も、温も冷も、さみしさも憂鬱も禍々しさも。それらすべての感覚を水という実態のあるようなないようなこの液体が、私たちに感じさせているのだなと。

*1:「セントラル・ステーション」「ビハインド・ザ・サン」「モーターサイクル・ダイアリーズ