ポツドール/顔よ

makisuke2008-04-11



誘われて、すごくすごおく久し振りに芝居を見る。誘われなかったら、わたしの舞台を見ない記録はイタズラに更新され続けていたと思うのだけど。どんどん舞台から足が遠ざかっていたと思うけど。今日久し振りに舞台をみることができた。誘ってくれたひと、ありがとう。それだけでもうドキドキと胸が高まっていたのだけど、客入れの音楽がぐわあんと大音量になってから、ばつんと音が落ちて真っ暗闇の奈落の底になる感じ。やっぱりたまらなくすきです。わたし。



は、さておいて「ポツドール」すごおくよかった。映画でもない小説でもない、舞台でしか感じることの出来ない「すごいもの」みせてもらいました。舞台というものだけが持つ力のようなもの見せつけられてきました。ひとつの部屋が章ごとにべろりんと剥かれていくたびに、壁一枚を隔てた内側で起こっている物語は、もしかしたらば特別なものなんかではないのかもしれないねえと思った。外側からは窺い知れない物語を家という皮は上手に隠しているんだろうねえ。顔だってさ、皮一枚なのにね。それでいろんなことを隠したり、いろんなことを背負ったり、つくづく厄介なものなのね。って人事みたいにいっちゃうけどさ。いっぱいいっぱい悪いもの嫌なものを見たくないものみせてもらったのに、それが最後には自分の中でヨキモノに変わっているのが不思議だった。それは、あの激しい雨に打たれる物語としてのラストが美しかったからだけじゃないと思う。すべての部屋で語られる物語に力があったし、うまく言えないけど。あの四つの部屋で起きてること全部、わたしは知ってるという。そういうことでもあるんじゃないかと思う。知っているってことはすごいことだよと、思う。誰かの気持ちのタガが外れる様って、何時見てもいいもんだよねえって、やや悪趣味なわたしは思ったりもしたりした。最後にもう一度新しい物語がはじまる。はじまって欲しいと思った。今度はこの「顔」たちの物語をみてみたいと思った。もっともっと見ていたい、いいえ、わたしはこのまま見続けていたっていいのよ。と、思ったぐらいなんだからさ。



それにしても「そうしたら、また会えるじゃない」ってば、すごいのな。すごくよくわかるのね。