蜷川実花

情熱大陸」というテレビ番組で、蜷川実花を見る。彼女の写真は、言うまでもなく色の洪水。水色やビンクや青に赤。自然の中から、不自然な色を探していく。何処までもポップでカラフルで、この世の楽園みたいな色をキャッチする。普段は目が行かない色たちが、彼女のカメラを通してなら、すっと入ってくるのが不思議。「消費され尽くせばそれまでの人」と、自分を割り切る姿が鮮やかで。迷いがなくって。「チャンスは全てモノにしてきた」と、さらりと言う姿が艶やかだ。

途中で、荒木さん(アラーキー)が「簡単に消費させちゃうってとこが、男写真家としては面白くないね」みたいなことを言ってて。そのちょっとやっかんだ感じのトーンがオモシロカッタ。この颯爽感は女性のそれだ。それでもやっぱり、彼女も荒木さんも呼吸するみたいにカメラを使ってた。瞬きするみたいに、ぱしゃぱしゃシャッターを切ってた。それがなんだかとっても良かった。

見終わって、もっともっと色が欲しくなっている私がいた。ぐるり見渡せば、自然の中はこんなにも色に溢れている。その色に気が付かないなんて、とっても淋しく思えてきた。