「雨はコーラがのめない」江國香織

江國香織の小説は苦手で、ほとんど読んでいない。タイトルに惹かれて手に取り、パラパラと頁を捲ってみるけれど、苦手感は否めない。そこに登場する女の人たちが、嫌なのだ。どこか怖くて。すごくキレイで。たおやかそうなのに、とても強くて。何をしていても、迂闊に口を挟めない。私には手に負えない相手と思ってしまうから。

それでも、彼女の中で好きな本がある。大好きな絵本と、絵画のことを書いたエッセイ(どうも私の好きなエッセイは、エッセイという言葉で括りきれないようだけど)。いとしいもの、良きものを、彼女のシャープな言葉で切り取った2冊。「絵本を抱えて部屋のすみへ」と「日のあたる白い壁」。

さてこの本「雨はコーラがのめない」は、オスのアメリカン・コッカスパニエルの「雨」と大好きな「音楽」のことを綴ったエッセイだ。先の2冊の妹分のようだと思ったので、すぐにレジへと運んで行った。もちろん、タイトルに惹かれて手に取ったという事は、言うまでもないけど。まだ読書中だけど、好みの音楽も、全く違うけれど、とてもいとしい本になりそうだ。

しかし、室内で飼う小さい犬には全く興味がないはずの私だけれど。無性に犬が飼いたくなりました。一緒に音楽を聴けるなんて。楽しいだろうな。散歩に行ったり、楽しいだろうな。なんて思っていると、すぐに猫に伝わって、拗ねられるのでうかうかできません。全く。