今日の出来事

makisuke2004-06-30


仕事の合間に、喫茶店に入った。名前は「ピエロ」。外観からして、怪しい匂いは漂っていたのだけれど(外壁に人生の10箇条とやらがペンキで描かれていた)、外は暑いし、時間は潰さねばならぬし、他に店は見当たらないし、仕方がない。

店内に入ると、ピエロという名とは裏腹に、福助人形が所狭しと飾られていた。年季も入り、かなりアットホームな店内。何処までが家で、何処からが店なのかよく分からない。あまり掃除をしたことのない知り合いのダイニングキッチンに、強引に招かれたような気分になる。本棚には、資源ゴミに出すためなのか、紐で結わえた新聞が積み上げられてた。

メニューには「マグカップコーヒー」と「カップコーヒー」の2種類があって(紅茶も同様に、マグカップティーカップティーがある)、「マグカップコーヒー」はアメリカンタイプのブラックコーヒー「カップコーヒー」の方は、砂糖とミルク入りコーヒーと書いてあるのだけれど、すでに砂糖の入っているコーヒーっていうのも、あまり聞いたことがない。とりあえず「マグカップコーヒー」を注文する。客は私一人、コーヒーを入れてくれるのはママ風のおばさん一人。豆を電動ミルで引く音はしたけれど、豆を挽いてから間髪置かずして、コーヒーが私の前に運ばれてきた(ような気がする)。

静まり返る店内、BGMもかかっておらず、クーラーがカタカタカタと、部屋を冷やす音だけが聞こえる。コーヒーを出し終わったママさんは、スパスパとタバコをふかしながら雑誌を捲っている。コーヒーは五百円でマグカップになみなみと注がれているのだけれど、半分ぐらいで飲む気が無くなった。なんだか私も眠たくなってくる。化石のような店で、私は3ヶ所虫に刺された。

ぼりぼりと足や腕を掻きながら、その店を後にしたのだけれど。喫茶店で虫に刺されるとは思わなかった。