日々ごはん(1)/高山なおみ

日々ごはん〈1〉
暑かった、久し振りに、文句の付けようもないほどに暑かった今日。仕事は3時で終了となる。利用者さんの一人が、入院先の病院で誤嚥性の肺炎*1をおこし、退院が長引いてしまったのだ。行きつけの珈琲屋さんで珈琲(マンデリンリントン)を飲んで、行きつけの本屋で本をあれこれ物色して、まだ明るいうちに家に帰る。掃除しなくっちゃ洗濯もしなくっちゃと思ったりもしたけれど、とりあえずシャワーを浴びて、クリームチーズと生ハムでオニオンベーグルでサンドイッチを作って、冷たい牛乳と一緒に食べる。ベーグルってほんと美味しい。ちょっと物足りなかったので、生協で届いていた「一六タルト」を二切れ食べる。カステラの生地とあんこに練り込まれている柚子の風味がとってもいい。

昼寝をちょっとして、オリンピックを横目で見ながら高山さんの「日々ごはん」を読み始める。テレビで見かけるこの人からは、とても日本(もしくはアジア)的な湿度の高さを感じる。しっとりしていてちょっと陰った感じの色気のある人だなと思う。その外見とは裏腹に、出てくる料理が豪快でエネルギー満点な感じが、そのギャップが面白い。

何でもないのに美味しそうなごはんの数々と、毎日の暮らしの様子がしあわせそうで、良い本だなと思う。以前読んだ高山さんの本「帰ってから、おなかがすいてもいいようにと思ったのだ。」は、ちょっとウェットな感じがして、息苦しい感じがして苦手だったのだけれど、「日々ごはん」は、さらっとしていて風通しが良い感じ。好きだなと思う。家事をしなくっちゃならないので、ちょっとだけと思いながらも、どんどん読んでしまった。

私は味噌汁を作る時、こんぶとにぼしでだしをとるが、にぼしの頭は取りません。

美味しそうなごはんの本を読んでいると、私もごはんが作りたくなる。何を作ろうかなと、脳みそが忙しく動き始める。この所の暑さで、クーラーのない台所に立って火を使う元気がなく、ごはんらしいごはんを作っていない事を反省する。Aは私が何を出しても本当に文句を言わない人で、それに甘えて、私はついつい「きちんとごはん」を忘れてしまう。いけないいけないと思いつつ、毎日の楽しみを、代わり映えしないメニューで済ませてしまう。手が込んでいればいいというのではなくて、気持ちの入った、まとまりのある、おいしいごはんを整えたいなと。改めて思ったりした、私であります。