介護マシーン

makisuke2004-11-06

今日は退院したばかりのおじいさん(高カロリー低蛋白塩分食、ミキサー食、歩行見守り)と、おばあさん(軽い痴呆あり、生活面はほぼ自立)宅でのお仕事、いつもは夕ごはん作りに行っているのだけれども、11時から5時のロングのサービスに。本日はおじいさんのたっての頼みで「カレーライス」を作ることに。ミキサー食で低蛋白塩分食のカレーというのはなかなか難しい注文だけれど、腕の振るい所でもあるわけで。お粥状態のごはんの上に、ペースト状のカレーをのっけることになるのだけれど、それでもカレーを食べたっていう醍醐味が味わえれば良いなって。

その、ごはん作りの合間に、おじいさんのお話を聞く。おじいさんは「有機化学」の第一人者で、博士号も持っているのだとか、化学式を書いて私にいろいろ説明してくれる。これがなかなか面白く、分からないなりに夢中になる。メタン→エタン→プロパン→ブタン……と続いて7番目か8番目に出来上がるオクタンというの状態の気体を使った研究でなかなか凄いものを作ったらしい。鎖状結合、環状結合、二重結合、などなど記憶の片隅にある言葉がぽんぽんと飛び出してくる。普段に飲むお茶を見ても、カレーライスを見ても、薬を見ても、すべての成分の化学式が頭に浮かぶという。言ってみれば私たちには目に見えないモノの中に確かにあるモノを確信して話す口ぶりに、なんとも言えない感動を覚えてしまう。見方を代えるとこの世の中も全く違う世界に見えてくるのだろうな。何だか宇宙の話を聞くように、その「化学」の話に聞きいっていた。