あの頃のこと

病気で寝ていると、子供の頃のことをよく想い出します。具合を悪くして、ヒトリで寝かされていたことを。枕元には新聞紙の引き込まれた洗面器があって、外では妹達の遊ぶ気配や飼っていた犬の鳴き声がして。おばあちゃんは呼んでも呼んでも来てくれなくって。苦い苦い薬を飲まされて。それなのに吐き気はちっとも治まらなくって。淋しくて心細くて悔しくて、よく泣いていました。涙で枕がホントに濡れました。その冷たさを今でもよく覚えています。今でも病気になると、あの頃の気持ちが蘇ってきて、すごく涙もろくなるようです。