ぶらんこ乗り/いしいしんじ

ぶらんこ乗り
この所ずうっと、いしいしんじのぶらんこ乗りを読んでいる。どうして今まで読まなかったんだろう?と、じだんだを踏みたくなってしまうような、ずごおくすきをかんじる本。あったかいやさしいかわいい話なんだけど、ときおりはさまれるピリッとしたきびしい部分が、この物語をよけいに愛しいものにしてくれる。けっしてあまいだけじゃないかわいいだけじゃない、もっと野蛮だしもっとシビアだしもっともっと生きてるって感じがする本。力強い本。物語の中の物語は声を出して読みたくなる。ので、夜はベットの中で猫に読んできかせています。彼女はのどをごるごる言わせるのに忙しいけれど、少しだけ耳も動いて、聞き耳を立てているようにも思ったり。とにかくしまいまで読んでしまうのがもったいないような、だいじにだいじに読みたい本です。