白くまになりたかった子ども/ヤニック・ハストラップ/DVD

とにかく絵が色がスバラシイの！色版画を思わせるような、シンプルかつ大胆な絵で、動物の輪郭がグイッと太く筆のタッチで描かれていて、ポイントに効果的に効いている色がとにかくキレイで、動物や赤ん坊の表情や仕草が良くって、吹雪やオーロラなんかも美しかったな。とにかくただただ見とれていました。この色の使い方は、日本人にはちょっと出来ないんじゃなかろうか？と、思ったり。物語はイヌイットに伝わる民話のようで、民話ならではの物悲しさもこの絵柄に良くあってたように思う、人間であろうと熊であろうと子を思う母の気持ちはおんなじで。子を失ったそれぞれの母の悲しみが、胸に響いた。熊の母親は人間の母親よりも少しだけスパルタで、その子育てもなかなかほほ笑ましかった。切ない残酷な話でもあるけれど、世のお母さんや子供たちにもみて欲しいな。私たちの社会より一回りも二回りも大きくて厳しい、自然の掟のようなものを感じることが出来ると思うから。少しだけ垣間見ることが出来る、イヌイットの暮らしぶりも興味深くて。内田哉也子の字幕というのも、良い感じでした。DVD欲しくなりました。