水を差す女

いや、私のことですけど。引っ越しに向けてそろそろ本格的に動き出さねばならない季節となりましたが、やはりどうしたって気分が重く、簡単に言ってみればやる気が出てこない。毎日毎日寒いのも憂鬱だし、引っ越しに伴うろもろの作業が面倒くさいということもあるのだけど、新居、新しい土地に移るというのも、わけもなく私を憂鬱にさせる要因だ。それでも私のそんな気配を察して、珍しくＡが動き始めてくれていて。私が仕事で彼が休みの土曜日なんかに少しずつ片付け作業を進めてくれているのだけど。先日とうとうワタクシメが口に出して、引っ越しなど面倒だし家を買うとかずっとそこに住み続けるとかって、ずっときちんと全うに生きていかなくっちゃいけない約束みたいで、すっげぇ憂鬱。などと、言ってしまいました。もちろん、怒りますよね。いや、怒ってましたよＡさん。口に出さずとも体中から発散している私の負のオーラに敏感に察して、同じくらい面倒なことが嫌いで、似たり寄ったりの思考を持つ彼が自分から動いてくれているというのに。二人で納得して選んだ最前の結論だというのに。そのなけなしの消えてしまいそうな彼のやる気にまで水を差すのですから。私という女のやることといったら。ねぇ。

二人で暮らすということは、やはり言ってはいけないことがあるはずで。例えばたとえ思っていたとしても、生きていたくないとか私なんかダメ人間だとかどうせ私なんかとか生きていても楽しくなんかないとか死んだ方がマシとか人生なんて所詮死ぬまでの暇つぶしじゃんとかどうせ無駄じゃんとか何にもなりたくないとか何もしたくないとかくだらねぇとか、そういうもろもろの発言というのは、そばで暮らす相手に多大に失礼。分かってはいるつもりなんだけど。この口が時々激しく滑るのですよね。ぺこぺこ謝って、心を入れ替える約束をした私。しかしＡという人は本気で怒ると頭金ぐらい棒に振る勢いになるので、ホント要注意です。