人のセックスを笑うな/山崎ナオコーラ

人のセックスを笑うな
(もしかしてネタバレかもしれません、その手の話じゃないけど、そういうのが嫌な人は読まないで下さい)

お風呂に持ち込んで、半分だけお風呂に浸かってた一時間余りで読み切ってしまったこの本だけど、好きだわ。かなり。気に入ったわ。この人。読んでいると、ときどきハッとさせられてしまうのよ。取り立てて特別なことが書いてあるわけじゃないのにね、なんだか新鮮で。そして、ああ。ああ。そうだよと、とても深く納得させられてもしまうのだよ。説得力がね、あるのよこの本。

恋愛って、所詮はひとりよがりの究極でってこと、作者であるこの人は、つくづくと分かってるなぁって、そう思った。例えば失恋してぽかっと開いてしまった、ココロのアナは別の誰かじゃ埋められない。たとえアナを開けてくれた、その当人だって、埋められないって感覚、よくよく分かった。

どんな恋愛や失恋だって、やってる当人はいたく真剣で一生懸命なんだから、ホント笑わないで欲しいよなってそうも思った。時々本当に時々、ベットの中でありきたりな動作で自分達に酔っているようなとき、何処かで誰かに覗かれているような。覗かれて笑われているような、そんな気分になることあるけど。そんな誰かからみたら私たち人間はホント滑稽なんだろうなって。その切なおかしいような気分よく伝わった。

の何処か何もかもが中途半端のようにほったらかされたような終わり方だけど、その中途半端さが最後まで読むと余計に身にしみてくるようで。最後の最後にオレがつぶやいたセリフに、私はヤラレマシタよ。ホントにマイッチャッタ。しばし言葉を失いましたよ。

会えなけれど終わるなんて、そんなものじゃないだろう