ザ・セル/ターセム＠WOWOW

監督はインド出身で数多くのミュージッククリップを手がけてきたそうだけれど、これがどうにも新鮮に面白かった。最先端技術を使って患者の精神世界に入り込むという治療を行っているキャサリン（ジェニファー・ロペス）が連続殺人犯の脳に入り込んで、彼が拉致監禁した事件の真相に迫っていくというものなんだけど、この映画の場合、謎解きや展開という部分はさほど関係ないかもしれない。連続殺人犯の脳味噌の中の映像世界こそがキッチュでステキ。もしくは連続殺人犯の愛しいもの愛するものだけ集めた倒錯の部屋がなんともキュート。あくまでもこの悪趣味でジャンクでドラックムービーのような、この映像世界を見て欲しい。この力強さとインパクトはちょっと久しく忘れていた感じ。そもそも私は、誰の心の中にも存在する無垢な男の子の存在を救っていくという発想も嫌いじゃありませんし。この物語の大きな流れ（展開）も結構好き。とはいうものの、たぶんチープで悪趣味なんで間違えてもおすすめなんてしませんので（私は好きだけど）、あしからず。