この頃の読了本

makisuke2005-10-07

リンゴォ・キッドの休日 (角川文庫)
少し時間がかかってしまったけれど、矢作俊彦の「リンゴォ・キッドの休日」読了しました。今更こんなことを言うのもなんなんですけれど、矢作俊彦。めちゃくちゃカッコイイのな。会話の冴え具合なんか、たまらないのね。そしてラストシーンのあの後味は、まるで映画を見ているようなのな。実は実は矢作さんはじめて読みましたので。ずっとずっと気になっていたのだけれど、何処から手を付けて良いやら分からずに。で、この文庫をみつけて、飛びついたわけです。そして二村刑事シリーズ追いかけていくことを決意しました。

東京日記 卵一個ぶんのお祝い。
川上弘美の5分の4本当日記「卵一個ぶんのお祝い。―東京日記」読了しました。「椰子・椰子」よりは大人になった、そんなカワカミさんが楽しめます。それにしてもカワカミはやっぱりいいなぁ。行間からただよってくる、ちょっとズレた毎日が楽しくてわくわくしてどんどん元気になってくる。カワカミはでっかくてぶきっちょで(たぶん)可愛い人なのだな。読み終わって「鰻茶漬け」が食べたくなった。長い間には、鼻についてしまったり、ちょっと遊んで欲しいなぁと思ったりもしたけれど、比較的年の近い女性作家を読むきっかけを作ってくれたのは、間違いなく彼女、川上弘美だな。彼女のもつ独特のあわあわ感は、やっぱり時々は会いに行きたくなる世界。たとえば「神様」のくまとわたしの関係とか(大好き!)。「センセイの鞄」のツキコさんとセンセイの関係とか。「いとしい」の髪の絡みあってしまった姉と妹の関係とか。「ニシノユキヒコの恋と冒険」のニシノユキヒコと女の子たちとの関係とか。どれも良い関係だと思うのだ。
ニシノユキヒコの恋と冒険 椰子・椰子 (新潮文庫) いとしい 神様 (中公文庫)

庭のつるばら (新潮文庫)
そして、本日からは庄野潤三さんの「庭のつるばら」。庄野さんはずっと読みたい読みたいと思っていたのだけれど、とっかかりがつかめないままになっていた人。shionoさん(http://d.hatena.ne.jp/shiono/20050831#p2)の日記を読んで、最初の一冊は迷わずこの一冊に。ぽつぽつとした語り口が雨垂れのようにしみ込んでくる。しばらくじっくりと読んでいきたい。こういう書き方、真似したくなる。