この頃の読書

makisuke2006-01-30

ポテト・スープが大好きな猫←空いている時間に一気に読んでしまったこの本。「ポテトスープが大好きなの猫の話」なんて!まずはタイトルがすっごくいいなーと思って。物語は、年寄りになって少し気難しくなった雌猫とやっぱり少しばかり気難しいおじいさんのお話なんだけれど。二人の気難しがりぶりがなんとも微笑ましく。距離感だってとーてもいい感じなのだな。村上春樹さんの訳はやっぱりとても丁寧で、あとがきで気が付いたこともたくさんありました。そしてそして、私がいちばん気に入ったのは、25ページの猛々しくおじいさんに抗議する猫の絵。荒々しい鳴き声が聞こえてきそうで。我が家にもいる気難しい雌猫を思い出して、うふふふと笑ってしまいましたー。

死神の精度←今回も直木賞は取れなかった伊坂さんの本。音楽をココロから愛する死神と人間達のお話。短編の連続なんだけれど、伊坂さんらしく少しずつ物語が何処かでリンクしていくのも楽しい。正直始めこそ、物足りないなーと思ったのだけれど、終わりに向けてぐんぐんと良くなって。無表情だった死神にどんどん表情が付いてくるようだった。読み終わって、長く降り続いた雨がようやく降りやんで、雲の切れ間からさあっー差し込む日の光を見たような、そんな気分。

ベルカ、吠えないのか?←そして今、ずっーと読みたかった古川日出男の「ベルカ、吠えないのか?」を読んでいる。まだ半分くらいなんだけれど、文句なく面白い。やくざの嬢が登場してきた辺りからはさらにさらに面白くなっている様子。先が楽しみであります。ので、先を急ぎたい所だけれど、移動に自転車があてがわれ、電車に乗っている時間がぐんと減ってしまったお陰で、読書の方は遅々として進まず。なんとも歯がゆい。それにしてもこの文体が小気味よいなー。と噛みしめながら。短い時間も厭わずに読書に溺れておりますです。はい。