ボブ・ディラン 「ノー・ディレクション・ホーム」/マーティン・スコセッシ@バウスシアター

makisuke2006-02-08


吉祥寺バウスのレイトショーでボブ・ディラン 「ノー・ディレクション・ホーム」みてきました。みおわって、久し振りに映画館から立ち去りがたい気持ちになってしまいました。いつまでもここにいたいよと、ただをこねてみたくなりました。胸がドキドキして、彼からずっと目がはなせなくなっていたので。私はまるで恋人を見つめ続けるように、はじめて誰かを好きになった時のように、ひたすら画面をみつめ続けていたから。

ノー・ディレクション・ホーム:ザ・サウンドトラック←近々サントラ買わなければと。

ただただ、こんな風に見つめてしまうのは、いささか暴力的かもしれないし、妄信的かもしれなくて。それはけっして賢いことではないし、危険なことかもしれないと思ったのだけれど。どうしようもありませんでした。もちろんスコセッシのこのフィルムは、それだけの簡単なつくりではなく。私をいろんな気持ちにもしてくれたのだけど。だけどだけど…。

細胞のひとつひとつで、もしくは髪の毛のいっぽんいっぽんで。吸収するように。呼吸するように。ゆっくりゆっくりすこしづつ。彼の姿と声とコトバと音と想いを。私はこのカラダ全部で取り込んでいたような。侵食されていったような。あまりに短い逢瀬にも似た。そんな三時間半でありました。