いっつの間にか季節はベロンと裏返って夏から秋になっていました。

あああっつ、とその香りに気が付いたら、いっつの間にか季節はベロンと裏返って夏から秋になっていました。最初は何処から漂ってくるのかも分からなくって、かそけき香りだったのだけど、いっつの間にか、街中がその香りに包まれてて。オレンヂの小さな花がゆらゆら揺れてた。かわいいな。いい匂いだな。キレイだな。そんな事を思って。ちよっとばかし鈍感だった今年の私は、やっとこさ顔を上げて、ぐるりと世界を見回して、ちょっと焦って驚いて、あああっつとついつい声をもらしたっけか。あああっつ、すっかり世界は新しくなっていたんだねえと、ココロに沁みて納得をして。それからヒトツ深呼吸をした。すがすがしい。すがすがしいじゃねえかよ!と、新しい世界に向かってヒトツ啖呵を切った。


そしてそして思った事、新しいという事は絶対絶対悪いことじゃない。絶対絶対素晴らしい事。絶対絶対得難い事。ウエルカム、新しい。カモン、新しいいろいろ。ハロー、新しいあれやこれや。新しいいろいろが、いちいちオイラを右往左往させて玩んでくれる事(玩んで新しい私に変えてくれる事)、期待します。