プルートで朝食を/ニール・ジョーダン@下高井戸シネマ


「プルートで朝食を」をみに、夜の下高井戸にいそいそと出掛ける。感じのいい居酒屋があったりしてうっかり暖簾をくぐりたくもなるのだけれど、そこはそれぐっと我慢して、お目当てのレイトショーへと足早に急ぐ急ぐ。人もまばらで閑散としたレイトショーだったけど、あああああっつぅ、と大きく伸びをして声を出してしまいたいほど、面白かったのだよ。ダメで汚くて可愛らしくてあたたかくて残酷でみっともなくてうらやましくて。久し振りにカラダ全部でぐんぐんと映画をそこに広がった世界を吸収した感じ。たまらなかったよ。満足したよ。私はきっと、こういうどうにもこうにも濃くてダメで情けなくって作り物みたいでどこかウンザリしている感じの世界が好きなんだなー。そういう世界に触れると、あああああっつぅ自分なんて、まだまだじゃねえかよ!とカラダが奮い立つのだよなー。簡単に言ってしまえば、元気になるのだよ。そうそう、私今元気だね。なんて思いながら、虫の声に包まれて家路を急いだのでありました。それにしても、今年の秋は、いつもよりずっと泣く虫が多いような(当社比)秋が沁みるような(当社比)、気がします。アナタはどうですか?