このごろの読書

読んだ本は、一言でも感想を書いたり言ったりしないと自分の中で完結しない。ので、ついついパソコンを立ち上げてしまうのだな。と、思う(で、力尽きたので感想は途中まで、、、)。

幸福論 ―精神科医の見た心のバランス (講談社現代新書) 日々ごはん〈7〉 生きてるだけで、愛 夜をゆく飛行機 陽気なギャングの日常と襲撃 (ノン・ノベル) ざらざら もやしもん(1) (イブニングKC) もやしもん(2) (イブニングKC) もやしもん(3) (イブニングKC)

  • 「幸福論」春日武彦……断片で現れる幸福たちが、いかにも自分の中にないモノばかりだったので、非常に面白かった。自分にないモノだけど、うんと映像的で、読み終わって随分経つ私の脳裏にまだ鮮烈に幾つかが焼き付いてる感じ。私もそんな(私なりの)幸福を幾つか持ってると確信した。さして、幸福って、アナログでなくって、きっとデジタルで存在するんだろうなって、そう思って。一秒一秒をかしゃっかしゃっと刻んでいくように(もしくは一枚一枚カメラで写しとるみたいに)生きる事が、幸福に近づくのかもしれないねえ、なんて思った。その一秒なり一枚に総てを込めるように生きる事が。
  • 「日々ごはん7」高山なおみ……高山さんの「日々ごはん」ももう7冊目のお付き合い(あっ、フランス編を入れたら八冊ね)。いっつも彼女の本は私のなけなしの「人とじゃんじやん関わりたいぞ」欲を刺激する。そして「喋るみたいに夜通し語り合うみたいにダラダラ何か書きたいぞ」欲も。やりたいことをしっかり見据えて、どんどん腰の据わっていく彼女の文章を読んでいると、自分の不甲斐なさにずんずん落ち込んでしまうのだけど、それがなんとも気持ちのいい刺激でもあり。目の前でパチンと手を叩かれたような気分。枝葉を落として幹を太くしていく樹木のように、私ももっとしぶとく太く生きていきたいぞと。そのために、自分のやりたいことをしっかり見据えていかなくっちゃねと、自問自答しつつ読む。
  • 「生きてるだけで、愛」本谷有希子……最初こそ、まあなんていうか、う〜ん。と思って読んでいたんだけど、全裸で屋上のシーンからは、他人事とは読めず、ひたすら共感共振共依存。最後の最後まで自分と一緒にしっかり疲れて欲しいと絶叫する主人公の潔さに、心が激しく動いて感動した。すごく映像的だし、鬱を書いて見事にポップだ。ポップであるのに、私に対してものすごい説得力だ。私は基本的に自分という人間にほとほとウンザリしているけれど、それでもやっぱり自分にウンザリしている人間が愛しくて、そいつらの最低最悪の人生の奇跡の満塁ホームランみたいな一瞬が読みたいし、知りたいし、見たいのだと、強く思った。そしてこの主人公は実に見事にそれをやってのけたのだよ。この瞬間があるからこれからも生きていける。ってな瞬間。もちろんそれがずっとつづくなら、そんな超ラッキーベリーハッピーに違いないけれど、それは、こんな暑苦しい人種にはやっぱり無理なのだろうから、せめてもそんな輝かしい一瞬の光を集めて、胸に飾って、それを誇りに掲げて生きていけばいい。生きていきなさいよ。私もそうするからさ、と切に思った読後の私であったよ。あああ、それにしても死ぬまで自分だけは自分とは、絶対に別れられねんだなぁ(みつを)みたいな気分だよ、今。とほほほほーだよ参ったね。