転々


テアトル新宿「転々」をみる。ー自慢じゃないけど、「台風クラブ」の頃から、私は友和のファンなんだよ。ちょっと如何わしそうな悪そうな男が断然似合うと思うんだ、友和には。で、今年みた「松ケ根乱射事件」の友和もかなりいけてたんだけど、「転々」の友和も、やっぱり友和で。すごくすごおくヨカッター

「転々」オダギリジョー三浦友和のゆるーいロードムービー。いいなあロードムービー。歩いて東京を散歩するお散歩ムービー。あ、だけど、目的地を設けてしまったら、散歩って言わないかもしんないから、だからお散歩ムービーじゃないね。だらだら歩くロードムービーがいいかもしんない。歩くテンポがこっちに伝わってくるような、気持ちが心地よく動くような映画だったから。

この監督らしく、くすぐりネタは随所にちりばめられているんだけど、それぞれの人がそれぞれに抱えた「サミシサ」みたいなモノが、映画の真ん中あたりにしっかりあって。笑った後にはいつもふっと泣きたいような気持ちにさせてくれたりした。はしゃいだ後の一抹のサミシサみたいなモノ。そこここにしっかりあった。そして、そのサミシサがあったかさややさしさみたいなものに、転々と転化してたなあと、そんなことを思ったりした。

力の抜けたオダギリジョー/とってもヨカッタ/見慣れた街の景色/嬉しかった/最近の女優小泉今日子/とってもいいと思うよ/ふふみ役の子/こっちに伝染しそうなはじけぶりだった/松重豊の顔が好きだよ/岸部一徳岸部一徳だった/ムーンライダーズ/エンディングにグッときた/けど/うん/やっぱり/三浦友和/友和は/しっかりいろんなものを語れる背中を持った人になっているなあ/と/嬉しくなった/友和とオダギリジョー/写っているだけで東京に溶け込んで/しっかり絵になってた/よ/

「好きだけで繋がってる関係って大変なんだよ。好きって気持ちはすり減るからさ(ほぼ、だいたいこんな台詞)」そう、さらりと友和が言った時、あああそうだねえと頷いて、そのまま泣きたくなった。私も最近そんなことを思ったからさ。カレーを食べながら泣きじゃくるオダギリジョーにつられて泣き出しそうになった。ジェットコースターから手を振る二人を見てたら、やっぱり泣きたくなった。泣きそうになってばかりだったけど、それをその度にグッとこらえたら、なんだか自分が頑張って生きてるみたいな気持ちになった。んで、嬉しくなった。何かが起こりそうで起きなさそうで起きそうな匙加減も気に入ったけど。何かが少しだけ始まりそうな予感の時って、人生においてすごくしあわせな時間だよなーなんて、思ったりした。

「転々」みてヨカッタなー。