このごろの読書

夜の公園
川上弘美の新刊を読む。静かでひんやりしていてうまいなぁと思うのだけれど、最後までどうしても好きになれず。こういう話は江國香織さんに任せておけばいいのにぃと思う。川上弘美で読みたくなかったよぉと思う。どこか間が抜けていて可愛らしく愛すべき部分がなかったのだな、この本には。読み終わって感じるさみしさがやりきれない。人は皆、この世の中ではしあわせなんかにはなれないのだろーかな。なんてしばし余韻に捕まっている今日この頃。

強運の持ち主
瀬尾まいこの新刊を読む。「図書館の神様」「卵の緒」は大好きな本。瀬尾さんの人と人の間のとり方。間に流れる心地よい風のようなモノが快くて。「食べ物」のもたらす「力」を感じさせる文章にココロうたれて、ずっと読んでいるのだけど。だんだんに迫ってくるものがなくなってきているのは、さみしい限り。ドキリとさせられる感覚もしばしないなぁ。新刊も、悪くはないのだけれど、悪くはないに終わってしまったような。ぼんやりとした印象

終末のフール 砂漠
伊坂幸太郎を二冊読む。最近すっかり伊坂のファンであるワタクシ。どちらも面白く読んだ。特に「終末のフール」は、よかったなぁ。いつものように、少しずつ物語がリンクしていく感じも、無機質な感じもいいのだけど、うっすらと漂う「汚さ(匂い)」みたいなモノが加わったような感じで。少しだけ新しい伊坂幸太郎という人を垣間見たような気がして、嬉しかったのであります。

ダ・ヴィンチ・コード〈上〉 ダ・ヴィンチ・コード(中) (角川文庫) ダ・ヴィンチ・コード(下) (角川文庫)
今更な感じもするけれど、ダ・ヴィンチ・コード読みました。読みやすく、あれよあれよという間に読み終わったけれど。やや残念な感じが否めない。うんちく本としては、うん。確かに楽しめた。ダ・ヴィンチのくだりはとってもワクワクしたのだけれど。肝心のミステリの部分はあっけなく。結末もそっけなく。あれれ?という感じ。もっともっとダ・ヴィンチであって欲しかったような。

フランス日記: 日々ごはん 特別編
高山なおみさんの「日々ごはん」の特別編「フランス日記」を読む。写真もたくさんあって、フランスの色彩豊かな様子が伝わってきて、とても楽しい。相変わらず、高山さんの文章は、私を引きずるみたいで。いろいろ書いてみたくなるのだな。そして、フランスという新しい土地に踏み入れる彼女が、怖じ気づいたり戸惑ったりと気後れしていたり。そのまんま見えてくるのが、とっても興味深い。スイセイさんと高山さん。(いつもの如く?)二人がたくさん喧嘩しているのも興味深かったりしてしまう。旅行というのは、イレギュラーがたくさんあって、イライラしたり疲れたりするモノだけど、その中でしっかり(喧嘩しながら)己のありよう(やりよう)みたいなモノを再確認していくのが、やっぱり高山さんらしいなぁと思ってしまう。