いつか、あああっと思う写真が撮れたらいいな。

makisuke2008-04-02

さくらを写すのは、わたしにはいつも少し難しい。あああっと、思ったままの写真は未だに撮れたことがない。さくらを見上げて、うあっと気圧されてしまう気持ちとか、さくらの並木の中を言葉もないままただただ歩いてる時のあの感じとか、光に透ける花びらの感じとか、さくらの匂い包まれてうっとりとしてしまう感じとか、そもそも曇りの色味のない空の下のさくらがいいのか、青空の下のさくらがいいのかって結論だって、まだ出てないんだよ。カメラの中に納まらりきらないさくらたちが、今、目の前に溢れているというもどかしさ。写しとるなんて、おこがましいのかもしれないけれど。それでも、そんな自分の不甲斐なさに抗うように、何枚も何枚もシャッターをきってみる。かなり真剣に一目も気にせず丁寧にいろいろ試みながら、何枚も何枚もシャッターをきってみる。いつか、あああっと思う写真が撮れたらいいな。

 

あの尋常でなかった嵐の中でも、散ることなく咲き続けていたさくらたち。さくらはきっと、散るべき時を、散るということを、知っているのだな。だから、その日までは、散るということなんて、考えたりしないんだろうな。