ファンタジーおじさんをつつむ。/しりあがり寿/エンターブレイン/2004年

会社勤めの経験がない私としては「会社」って何をする所?っていうのが、今一つ良く分からない。NHKの「働くおじさん」並に興味が尽きない。私の場合は、出掛けていって体や皿や便器を洗ったりするのだから、分かりやすいと思うんだけど。みんなどんな事をしているのダロウ?その昔、ある人に尋ねた所「毎日パソコン上や電話で買ったり売ったりしているのだよ、大きな買い物してるのだよ」と、教えてもらい「ほほっーっ」と、感心した記憶があるけれど、リアルにはやっぱりピンときていないみたい。しり先生の漫画を読んで、私の疑問はさらに大きく。結局会社ってみんな集まって何をしているのダロウ?

そして今、スキマだらけの「オフィス」に、たくさんの「フシギ」が生まれようとしています。「ヒト」と「カイシャ」のスキマに。「カネ」と「ココロ」のスキマに。己の力では埋めようもないそのスキマに、たくさんの「フシギ」が生まれます。

とは言え、私はしり先生の描く「おじさん」「オヤジ」が大好きで(現実にはあまり接する機会もないけど)、愛おしいのだけれど、リアルにおじさんモノ(しり先生の)を読むおじさんという人たちは、どれほどいるのダロウか?しり先生の「おじさん」に送り続けるエールは、世のおじ様達にもたちにも届いているのダロウか?私みたいなものが受け取り続けて良いのダロウか?とにかく、今回もこのエールしっかり届きましたけど。

ヒトの想いから生まれたアヤカシが、現実と夢の境を溶かし、絶望と希望をかきまわし、しばっていた恐怖をときはなち、痛みを和らげます。