book
壮大でヒトクセもフタクセも癖のある物語を書く、村田喜代子の新作エッセーを読んでいる。ちなみに私は彼女の小説の一ファンで「雲南の妻」「百年佳約」もとっても面白く読んだ。 エッセーのほうは、尻尾のある生き物(つまりは人間を含めない動物)のこと、…
魔王/伊坂幸太郎 「(小説の中に)ファシズムや憲法などが出てきますが、それらはテーマではありません。かと言って、小道具や飾りでもありません」と、あとがきにあるのだけれど、まさにその一言が、この作品を言い表しているように思った。なかなか。久し…
ポビーとディンガン見てきました。とてもとてもよかったです。原作がとても忠実に描かれていた所も嬉しかったトコロ。私はすっかり「お兄ちゃん」の気分でこの映画を「妹」を見守っていました。子供の、男の子の目線で描かれている映画が大好きで愛しくてた…
今月の十日までに読み終えたいと思っていたこの本ー沢木耕太郎の「凍」を昨夜遅くまでかかって、読み終えることが出来ました。最強との呼び声が高い、クライマー・山野井夫婦が、ヒマラヤの高峰、ギャチェンカンに挑んだノンフィクション。読み終える目標だ…
電車の中では、川上弘美の懐かしい場所を巡るエッセー「此処彼処」を読んでます。今、3分の2くらい。カワカミのエッセー相変わらずいい感じです。新婚旅行で言ったマダガスカルの話や裏庭の茗荷の話、子供時代を過したアメリカの話なんかが、いいんです。カ…
塚本晋也のヴィタールを見た時にも思ったことだけれど、私たちはもっともっと自分のことにかまけていて良いのだな。と「東京タワー」を読み終えて、改めて強く強く思い直しました。リリーさんの「書かねば」という強い気持ちが、ひたひたひたと伝わってきて…
このところ、毎夜毎夜「東口DVD」観賞し、飽きるということも知らずに「山本いい男だよなぁ」「戸川さん美しいねぇ」と、言い続けていたわたしたち。Aさんの同僚にDVDが貸し出されていったため、長らく続いたトルエンズ祭りもひとやすみ。ひとやすみ。今夜…
Aさんは午後から職場のレイアウト替えのために出勤でしたので、私は一日ベットでゴロゴロしながら、滝田ゆうの「滝田ゆう落語劇場(ISBN:4480022627)」を読んだり(いつ読んでもいい感じだね)、ねこと昼寝したり、まあ言ってみれば腐っていたわけですが、…
日々ごはん5/高山なおみ 5冊目になる高山さんの日記。今度こそゆっくり読んでいこうと決めたのに、ついつい根を詰めて読み切ってしまいました。冬の終わりから夏の終わりにかけての日記。季節はずれの日記を読んでいると、自分の季節がこれから何処へ向か…
わたしが妹だったとき作者: 佐野洋子出版社/メーカー: 偕成社発売日: 1982/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る 十九日は妹(三女・ひと)の誕生日。ぶらりと立ち寄れる距離に住んでいるひとには、気が向くと折りに触れてはポスト(新聞受…
空中庭園/角田光代 だってさ、だれも憎んでもいないのに、ぼくらは憎むってことを知ってて、とくべつさびしくないのに、さびしいってどんなことかわかるだろ。ぼく自身ここしか知らないのにだよ? 角田光代の「空中庭園」読み終わりました。角田さんの本をコ…
少し時間がかかってしまったけれど、矢作俊彦の「リンゴォ・キッドの休日」読了しました。今更こんなことを言うのもなんなんですけれど、矢作俊彦。めちゃくちゃカッコイイのな。会話の冴え具合なんか、たまらないのね。そしてラストシーンのあの後味は、ま…
ワタシの読書は、電車の中では矢作俊彦の「リンゴォ・キッドの休日」を読み、眠る前には「男おいどん」を読み返し、おいどん気分に浸っています。小説や映画や漫画の中の食べ物に目がないワタシですけれど、さすがにこの「サルマタケ」には、触手が動きませ…
いいそらのむこうに、つながっていることですよ 少し前になりますけど、いしいしんじの「ポーの話」読みきりました。よかったです。とてもとても。これはやはり、いしいしんじのこれはやはり最高傑作ではないかなと。まずはポーがいろんな気持ちに鈍感(アホ…
らもさんの愛猫、とらちゃんに捧げるエッセー。らもさんを偲んで実家に帰る往復の高速バスの中で読みました。らもさんの語り口は楽しいし、とらちゃんの可愛らしい写真満載でついつい目尻が下がってしまう一冊。この本によると、らもさん、あらゆる動物とい…
実家での帰省中に読み切りました。妹(四女・二児の母)に「皆が集まって楽しくしている時に、ヒトリで本を読んでいて楽しいですかぁ〜?」としつこくしつこく茶々を入れられながらも「だって久し振りに桐野面白いのだもの」と、読み切らせていただきました…
先日も少し触れたのですけど、まずは面白かった。久し振りに山田詠美堪能しました。「職人の域に踏み込もうとする人々から滲む風味」を、彼女なりのコトバで小説に埋め込んだというこの本。本当に彼女しか書けない切り口だよなぁと、しみじみ納得。「好き好…
久しく「読了」というコトバを発していないように思いますが、暑さで読書量確実に落ちています。仕事の移動時間の読書がままなりませんて、これでは。ただただ電車の冷房に吹かれて涼むのに精一杯ですって、これでは。なんとかじりじりと読み進めているのが…
「乙女日和」山崎まどか 正直、乙女度は低めな私ですけれど、乙女道も極め続ければ男気に通づる。ということで、持っていきます。 「犬が星見た ロシア旅行」武田百合子 ナイトキャップ代わりに。くたくたに疲れていて、きっとナイトキャップなんて必要ない…
id:maico20さんの日記で杉浦日向子先生訃報を知る。我が家にも何冊か先生の本や先生が解説を書かれた本があるわけで、その早過ぎる知らせは、とても気持ちをしんとさせました。「ソンナニイソイデドコヘイク」そう言っていたのは、先生だったのに。何とも皮…
愛すべきダメダメさん、穂村弘。彼のエッセー「世界音痴」が大好きで、彼の歌集も夢中になって読んだものです。私のココロをぐわっとつかむ強さが、彼の言葉にはあるのだね。それなのに、この本「現実入門」は、どうにもいただけなかった。ついていけなかっ…
毎年、年の初めのお楽しみに読んでいる中野翠の日記。「サンデー毎日」に連載されたのモノをまとめた'04の日記を、今年はこんな時期に読了しました(お恥ずかしー)。たかだか一年前の出来事が、遥か昔の出来事のように感じられるには、参りましたが。興味と…
直木賞受賞まえに書かれたこの本「庭の桜、隣の犬」を読んで、久し振りに嫌な気持ちに捉まった。そうそう、この感じ。これが角田光代だよね。と、改めて思い直した。このうっすらとまとわりついてくる嫌な感じ。登場人物達から発する嫌な匂い。風通しが悪く…
木曜日は、午後の仕事(担当ヘルパーが事故にあって急遽ピンチヒッターを頼まれていた)をキャンセルして、家に帰って大人しく休むことにしました(金・土と自分の分の仕事には穴を開けられないので)。高円寺でいつもの仕事が終わりまして、この地に来る時…
id:michoさんさんがはじめられた(のでよいのですよね?)bookbatonがid:masamayuさんから回ってきました。 持っている本の冊数 壁一面の本棚+漫画の本棚+料理のレシピと文献本棚+未読タワーに積ん読本。あとは部屋のそこかしこにさりげなく平積み。 今読…
読み終えました。そもそもは夜寝る前本(ワタシは、電車本と寝る前本と平行して二冊、時には三冊同時に読み進めるのが常なのだ)として読み始めたのだけれど、面白くって電車の中でも喫茶店でも夜寝る前でもこの本を読んでしまって、あっちこっちと持ち歩い…
←このbookデザインはいただけません。ダサッ。 読み終えました。今作は、三つの短編からなっているのだけれど、ちょっと物足りなかったな、正直。嫌いではないけれどもね。この人特有の温かさというか、人と人との良い距離感は感じられたけれど。不倫相手の…
ぶらりと入った小さな古本屋に、この本は売っていて、ワタシは「あっ」と思ってすぐにレジに持っていった。喫茶店と行き帰りの電車とお風呂の中と風呂上がりのベットの中の時間を使って、今日一日でこの本を読み切った。もちろんBGMは「NO WOMAN NO CRY」。…
気が触れても彼女と歩いていた 少し遅くなったけど、絲山秋子の「逃亡くそたわけ」読了しました。映画で言うなら、ロードムービー。精神病院から脱走して、おんぼろ車でとにかく逃げる話。当てども明日も保証もないけれど、頼みの薬も切れちゃうけれど、とに…
ネリモノと言えば、コレ。てっちゃんと父ちゃんの会話が涙を誘います。親子ってスバラシイ!らもさん、バンザイ!